先ほどNHKであしたのジョーに見る団塊の世代みたいな番組をやっていましたよ。
その番組のセットの後ろにバックドロップとしてかかっていた力石の顔とジョーのラ
ストカット(真っ白になってコーナーに座るあの絵)に目を奪われました。
そうだ、この絵なんだ。って、正直思いました。
私がアナログでも筆ペンにこだわり、鉛筆の濃淡を使って描き続けている理由は
まさしくこのちばてつや先生のワンカットに本能的に憧れていたからなんだと。
アウトラインが太いんです、とにかくちばてつや先生の画風は。
そして筆の流れとか筆跡がモロ分かる力強い陰影描写。
私の絵がどこか懐かしいと言われているのは、無意識の内に「劇画タッチ」と言われ
るこの時代の一部の漫画に引かれていたからなんだと。
同じくその時代よりアニメの世界で作画監督として活躍なさっておられる杉野昭夫氏
もちばてつや先生の画風に似た「画」を以って、感動を私に与えてくれました。
現に杉野昭夫氏はあしたのジョーのアニメ版の作画担当をなさっていらっしゃいまし
たが、私がこの方を知ったのはブラックジャックのOVAでした。
シーンの「極め」の瞬間を劇画の一枚画で表す手法は、独特ながらかっこ良いこと
この上なくて、それはエースを狙えの中でも見受けられましたし、ゴルゴ13の中でも
随所に見られました。
流れる空気までも筆跡に載せて描いたようなあの絵は、私の目の裏に印画紙のよう
にハッキリと焼きついています。
徐々にだけれどもこのような絵を自分の技として会得することが出来たらなぁと、そう
思う私でありました。
言うまでもなく、このお二方の作品は非常にオススメです。
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