カンヌ映画祭のコンペテション部門グランプリを受賞された河瀬直美さんの2002年
の作品「沙羅双樹」をさっきまで観てました。
珍しいですよ、観たあとすぐ感想をブログに書くなんて(^^;)
一言、素晴らしかった。
舞台は奈良県、複雑に細かく入り組んだ軒先を走りぬける子供達、それを追いかけ
るキャメラ。ざわめく蝉の音、実る野菜や新緑の茂り。 夏なんですね。
その中で登場人物それぞれが思うものを秘めていて、それでも人間として二本の足
で立っていて、それがそこに在って、在るからこそ輝く瞬間ってのがあって・・・。
予告編から知っていたけれど後半のバサラ祭りでの踊り、ヒロインが輝いてたなぁ。
文字通り輝いていた。そのあとに続く他の踊り手たちも皆輝いていた。
あのシーンの音楽と、バケツをひっくり返したかのような勢いの通り雨の中で踊るヒ
ロインの腕とか表情がいつまでも頭から離れない。
まさしく祭りの踊りのシーンが際立ってハイライトだったけれど、古民家の並ぶ町っ
ていう決して広くはないコミュニティの中で何気なく過ごす毎日ってのがとても自然
で、「あぁ・・・いいなぁ」って思う。
なんか、日本人で本当によかったって思う。
私の作品に込める思いって言うのは、決して格好つけたいわけでもなく、その一作
に色んな情感や熱い何かって言うのを詰め込みたくて、見た感じ格好悪くても人間
の輝く瞬間を表現したくて、そんな思い。
そういう意味では「沙羅双樹」からは再び学ぶことも多くて、重なることも多くて・・・。
ぶっちゃけ目頭が熱くなりました。
ストーリーは最初からここで説明してもあまり意味がないので、「おっ!?」と思った
方はまず観てみてください。 何か必ず心に響くものがキラキラと残るはずです。
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