忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

三条初七条行き

  • posted at:2008-02-17
  • written by:青木猿頬(サルボー)
京都に行ってきましたよ。

目的は展覧会「川端康成と東山魁夷」に行き、晩御飯は「DemodeQueen」という
アメリカンダイナーに行くこと。
そしてできれば京都の雑貨を買うことでした。

結果京都の雑貨は買えませんでしたが(カラーの筆ペンは買いましたけど)
展覧会と晩御飯は素晴らしかったので、以下に軽く感想を記します。


「川端康成と東山魁夷」
今度のアートイベントでユニットを組む「toro」氏と京阪電車三条駅にて集合後、
展覧会のある京都文化博物館へ向かいました。
何度も京都を訪れていましたが三条通り沿いは初めて散策しました。
大小ギャラリーが軒を連ね、間に昔ながらの町屋があったり、レトロなレンガ張りの建
物があったり、かと思えばコンクリート打ちっぱなしのお洒落なブティックがあったり・・・
そこを行き交う美術学生やお洒落なカップルという芸術に恵まれた場所でした。

そんな三条通を程なく歩くと赤レンガ張りの旧銀行の建物を使用した京都文化博物館
4階でそれはやっていました。
川端康成氏と交流のあった東山魁夷氏。
手紙にて「新作を描きまして今度個展を開きますのでお越しください」と川端康成氏に
宛てた手紙とか、「先日は大変いいものを見させていただきまして、帰りたくないくらい
でした。何とかあの絵をお譲りいただけませんか?」と東山魁夷氏に宛てた手紙とか
(以上失礼ながら略式にて記載)

そのような交流の記録と同時に東山魁夷氏の作品と、川端康成氏の原稿とあと川端
康成氏の収集した芸術作品が展示されております。
感想はズバリ、心の奥底に音叉のごとく深く静かに響いた。
日本人だから分かる感動というか、「静」の間の素晴らしさ、郷愁にも似たどこか懐かし
い緑、空、湖の輝きへの想い、そして人が描かれていないのに、人の温かさを感じ取れ
るその温度感。 素晴らしい作品に感動し、感動のあまり涙するなんて話を聞きますが
東山魁夷氏の作品はそういうレベルではなくて、その絵からもう目が離せないんです。
魂をその絵に預けてしまったかのように私の心は額という枠組みを通り越して作品世界
に入り込み、無音の世界に浸るのです。
そう、とにかく無音・・・東山魁夷の絵にBGMなんていらない。
「見ていると賑やかな音楽が聞こえてきそう」な絵も素晴らしいとは思います。
でも東山魁夷氏の無音の美が私はこの上なく好きです。

川端康成氏は東山魁夷氏をこう評しています。
「美というものは短く浅い感動ではなく心の奥底、霊に染み入るようでなくてはならない。
現在は短い感動を与える画家が多く、残念である。その点東山さんの作品はこの日本
で最も永らく深い美の感動を与えることの出来る画家であろう。」(失礼ながら略式)

たぶん現地で描きたい風景とか見て、その静けさとか、人の温かさとか感じ思い描きな
がら描いていたんだと思うけれど、私にはまだまだその描く時の思いこそ同じであれ
それを形として表現する力が未熟で小さくて・・・私には描けない、描けないんだなぁ。

でも磨いて磨いて必ず描ける人間になりたいと思います。
今日こうして氏の作品に出会えたのもそこに気づくための機会だったと思うし、美って
なんなのかを両氏に教えられた気がします。
帰り道、京都文化博物館の斜め向かいにあるシュークリーム専門店に入り美味しい
シュークリーム(ミルク感がすごく強くて美味しい♪)をいただきながら、その静かな感動
と煮えたぎる情熱を胸に秘め、ステップ軽く三条通に消えたのでした。

続く→

拍手[0回]

PR
Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

 
トラックバックURL
 

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

 

最新コメント

[05/03 猿頬]
[05/03 葉っぱ]
[01/09 青木インパクト]
[01/07 木南]
[12/11 青木インパクト]

 

最新トラックバック

 

プロフィール

HN:
青木猿頬(サルボー)
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1981/08/15
職業:
現代肉筆浮世絵師
趣味:
一人旅、サバイバルな生活
自己紹介:
旧名:青木インパクト
2015年1月にて改名

 

バーコード