今、猿描いてます。
小学生の頃、私の生まれ育った故郷富山県の立山連峰を題材にした
ドキュメンタリー番組を観ていて、その映像の中にでてきたニホンザルの親子
が極寒の雪景色の中抱き合って木の枝に座っている姿を忘れられず
今こうして大阪の港近くという全く環境の違う場所でも
目を閉じれば鮮明にその時の映像がよみがえってくるのです。
雪景色って雪が降ってても雨のように地面に落ちて跳ねないから
凄く静かなんですけど
いったん風が吹くと地鳴りみたいな低い音とか
まさしく、つんざくような高温のヒューッって音が混ざり合って
それはそれは厳しい世界になります。
富山県は平野部だろうが海岸だろうがなかなかの量で雪が降りますが
山深い場所になると何メートルも積もります。
それまで見えていた背の高い草や木々は雪で真っ白に覆われ
雪のかぶらない崖の下や岩の陰の黒い部分だけが見えている状態になり
まさにモノクロの世界です。
そんなモノクロの世界でニホンザルが秋のうちに蓄えておいた種や実を
少しずつ食べながらひっそりと暮らしているわけで
そういう姿を見ていると人間の勝手な解釈ですが
生きていけるのかな?大丈夫かな?と思い出すたび心配したものです。
私の描く世界の中ではそういう心配が要らないように
ニホンザルには温泉に入ってもらおうかなと思って
「猿温泉」なる架空の映画ポスターを描いてるって話です。
地獄谷って場所では野生のニホンザルが温泉に入ってるというのは有名です。
一説では湯冷めするんじゃないか?と言われてもいますけど。
そんな感じで我々人間も、極寒の雪景色にいるニホンザルも
温泉に浸かってこの冬を楽しく乗り越えたいものです。
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