私が似顔絵を描き始めたのは、さかのぼれば小学校5年生頃
似顔絵がリアル、いわゆるデッサンしたものだという価値観しかなかった私は
B'zやGRAYなど当時小学生のブームだったバンドや歌手の似顔絵を
小学生らしからぬリアル志向で描き続けてはクラスメイトに見せてました。
時が経ち、大学生となり再び似顔絵を描き始め、その頃もまだリアル志向で
腕が上がったのをいいことに、徹底的なリアル思考で画用紙目一杯に
トム・クルーズやナタリーポートマンなどを描いてました。
この頃から私は似顔絵に対する持論を持っていて、それが
「似顔絵」なんだから似ていてこそ。似てない似顔絵は似顔絵じゃない。
というものでした。要は原理原則ですね。
だから今、2007年から似顔絵団体に所属して、お客様からお金をもらって
似顔絵を描かさせてもらうことになったとき、この持論が常に頭にあって
似てなくて怒られたら、それは私の力不足であり当然返金させてもらうべき
と常にいいきかせて似せることに全力投球してました。
リアル志向は受けが悪い。所属していた団体でまずそれを学びましたね。
似せるのに最も簡単で得意分野ではあったけれど、お客様が求めている
のはリアル志向ではない。かわいく描くか、デフォルメするか。
私はまずそこでつまづいて、色々試行錯誤しながら、今の画風に至ります。
リアルとデフォルメの中間を狙う。
そこでもやっぱり持論は貫いていました。
今でも「似顔絵なんだから似せなきゃカスだ。」って持論は変わりません。
なので似顔絵をお描きして、お客様から
「かわいい」とか「上手」とか言われるよりも
「似てる」とか「そっくり」とか言われた方がとてもとても嬉しいです。
余談ですが「実物よりも綺麗に描いてもらって・・」とか
「実物よりもかっこよくないか?」とかおっしゃるお客様がいらっしゃいますが
私は似顔絵師ですので、見たまんま描いてます。
一切の脚色はいたしておりません。
もしかっこよかったりかわいく見えるなら
それはお客様自身がそうなんです、とだけは言わさせていただきたいです。
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